■三端子レギュレータ

■電圧を安定にするIC
78xxシリーズ、79xxシリーズは安定化電源の定番ICです。
特に端子が3本しか無いことから、三端子レギュレータと呼ばれます。
xxの部分には電圧が入ります。例えば5V用は7805、7905となります。
78xxと79xxの違いですが、78xxが正電源用、79xxが負電源用です。

通常の78xx、79xxシリーズは最大1Aまで電流を供給できますが、他に、78Mxx(0.5A)、78Nxx(0.3A)、78Lxx(0.1A)用と一部の電圧用ですが3Aを超えるICもあります。

上の図が基本接続です、出力には使用した三端子レギュレータの電圧が得られます。
例えば7812なら12Vになります。C1のコンデンサは発振防止用として、必ず必要となります。またC2は出力レギュレーションの改善用で必ずしも必要ありませんが、大抵は挿入する様です。値はC1,C2とも2.2μF〜10μF程度です。なお正電源用と負電源用の三端子レギュレータでは、足配置が異なっています。正電源用はタブがGNDなので、放熱板にそのままネジ止めできますが、負電源用のタブは入力と同じため、絶縁して取りつけるか、放熱板自体をGNDから浮かせて取りつける必要があります。
入力には、出力電圧(三端子レギュレータの電圧)に最低2.5V以上高い電圧を入力します。
これより低いと、指定の電圧を出力できなくなります。
高い方は、三端子レギュレータの入力耐圧(24Vタイプで45V、それ以下は35V)までは印加可能ですが、高ければ良い訳ではなく、余分な電圧は全て熱として捨てられてしまいます。
エネルギー効率の面と、放熱対策の上では入力電圧は出力電圧に近い方が好ましいわけです。
■入力電圧
では、入力をどの様に決めれば良いのでしょうか?
電池等では、最終放電電圧(乾電池なら1.2V程度、Nicd電池で1V程度)×セルの数が、予定電圧+2.5V以上になれば動作します。例えばNicdで5Vの安定化を行うには、入力として7.5Vが最低ラインとなるため、7.5V÷1V=7.5個。切り上げて8個のセルを使用する計算になります。8セルのNicd電池の通常電圧は1.2V×8=9.6Vになり、5Vの安定化に必要な7.5Vより2.1V高い事になります。この分は完全なロスになります。ちなみに効率は5V÷9.6V=52%で、効率をあまり考慮せずに作成した、スイッチング式のレギュレータより、若干悪い値になります。


■放熱板が必要
三端子レギュレータが、電圧を安定にさせるのは、余分な電圧をドロップさせるためで、入力と出力との差電圧に流れている電流を乗算すると(電力が求まる)そのまま熱になります。例えば入力8Vの7805(5V用)なら3V電圧が下げられます。これに1Aの電流を取り出すと3V×1A=3Wの電力が熱に換わります。1A用の三端子レギュレータが放熱板なしで耐える電力は大体1W程度なので、この例では何らかの放熱板を取りつけないと、レギュレータが熱破壊してしまします。