■OPアンプのオフセット
オフセット電圧
OPアンプを左の様に両方の入力をGNDに結線すると理想的には、出力が0になるはずです。
ところが、現実には出力に電圧が出てきます。この電圧をオフセット電圧と呼びます。オフセット電圧は入力トランジスタの特性誤差で発生するため、出力に出ている電圧を増幅率で割り算して、入力電圧に換算した値で表示します。オフセット調整
741の様なシングルタイプ(1回路入り)オペアンプでは、初段のトランジスタの特性差を外部から調整して、オフセットを少なくする回路構成になっています。このオフセットをキャンセル回路や調整する事をオフセット調整と呼びます。
OP07に代表される、高性能OPアンプでは、IC内部の抵抗をトリミングして、オフセット調整を行った上で出荷されています。
一般にFET入力の方が、バイポーラタイプに比べてオフセット電圧は大きくなっています。
オフセット電流
OPアンプの入力端子には、本来電圧が出ていません(入力なのだから当然か)
しかし、現実には、本来流れるはずがない微小な電流が流れます。
この電流が入力に挿入した抵抗に電圧を発生させてしまいます。
この電流をオフセット電流と呼びます。
例えば4558タイプの汎用OPアンプに1MΩの様な高抵抗を挿入すると、かなり大きな出力になります。オフセット電流は反転、非反転の各入力で殆ど同じ値になるため、挿入する抵抗の値を揃えると少なくする事ができます。左の図ではri=rfとする事でオフセット電流の影響を少なくする事ができます。
オフセット電流はバイポーラに比べ入力抵抗の高いFETタイプの方が、少なくなっています。