■マイクアンプ

この回路は1石のトランジスタで構成した、マイクアンプです。ワイヤレスマイクの入力段や、カラオケ程度なら使用できます。


図1:自己バイヤス型オープンループ回路
構成が単純なのが特徴です。回路は、交流増幅器そのものですが、あまり大きな信号は取り扱えません。マイクレベル(約10mV RMS)に適しています。増幅率はトランジスタのhfeでほぼ決定されます。この回路で100倍以上増幅できます。電源電圧は3V程度で動作しますが、かなり広範囲をカバーします。


図2:自己バイヤス、自己帰還型
トランジスタの動作点電圧を決定する様に、抵抗R3を追加した回路です。抵抗を追加する事により、トランジスタの動作が安定します。また入力抵抗が高くなります。一方、この抵抗により、増幅率がR2とR3の比に制限されます。図2の定数で10倍です。直流的の動作点を決定する抵抗ですので、大幅な変更はできません。
交流の増幅率を決定したい場合は図3の回路を使用します。


図3:自己バイヤス、自己帰還型、交流バイパス付き
さらに抵抗R4とコンデンサC3を追加した回路です。直流の動作点はR3で調節して、交流の増幅率はR4とR2の比率(正確にはR4とR3の合成抵抗とR2の比率)で決定できます。図4では100になりますが、もともとトランジスタが持っている増幅率以上にはなりません。


図4:固定バイヤス、自己帰還型
さらに、ベースの電圧を決定する抵抗を付け加えた、完全な増幅器です。この回路なら、ある程度の大きな信号(出力が飽和しない範囲で)が期待できますが、図1に比べると相当部品が増えています。
マイクアンプ以外でまともなアンプが必要な場合は、OPアンプで構成した方が高性能になります。