■吐き出し型オープンコレクタドライバ

多くのドライバが、電源に接続された負荷のアース側(マイナス側)をコントロールして、電源のON/OFFをコントロールしています。
負荷によっては、アース側を接続したままとして、電源側でコントロールしたい場合があります。この様な場合に用いるのが吐き出し型のドライバです。

ドライブ信号を一度電源側に中継しなければならないため、どうしても複雑になります。R3をドライブする回路は吸い込み型のNPNドライバと同じ構成です。R3を流れる電流で電源に接続されたPNP型のトランジスタを駆動します。
本回路ではR3により、上側トランジスタのベース電流を決定しますが、出力用電源の電圧にR3の電流が比例するため、出力用電源の電圧が大幅に変化する用途には適しません。


この回路ではR3が下側のトランジスタのエミッタ側に移動しています。この様にエミッタ側に抵抗を挿入すると、トランジスタのコレクタ電流がコレクタ電圧に依存しない、定電流動作になります。出力用電源の最低値がドライブ入力の電圧より高い領域では、常に一定のドライブ出力が得られます。
一方欠点として、下側トランジスタの定電流動作はドライブ入力の電圧によって決定されるため、ドライブ入力電圧が安定しない場合は利用できません。また下側トランジスタには出力用電源とドライブ入力の電圧との差が加わります。
このため、下側トランジスタに熱が発生します。